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炎症性腸疾患の治療について

診療内容

問診や一般的血液検査に加え、X線検査、CT検査、内視鏡検査、などがあります。
年度の炎症性腸疾患の治療指針に基づき当院のストラテジー(治療戦略)を決定しております。中等症以上の患者さんには、必要に応じて入院していただきます。

内科治療

IBD治療には、5-アミノサリチル酸製剤、血球成分除去療法、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)、免疫調整剤、生物学的製剤、栄養療法などを用います。患者さんの状態によりこれらの治療を選択しております。

5-アミノサリチル(5-ASA)酸製剤

UC・CDにおける軽症~中等症の患者さんへの寛解導入および寛解維持に用いる基本薬剤で、安全性が高いお薬です。UCの寛解導入療法の際には、高用量の経口5-ASA製剤が推奨されています。また、坐剤や注腸剤など局所5-ASA製剤の併用も有効です。寛解維持療法では、長期・高用量の服用が望ましいとされています。

血球成分除去療法(GCAP:ジーキャップ・GMA:ジーエムエー・LCAP:エルキャップ)

血液中の白血球などを吸着除去したり機能変化をもたらす治療法で、ビーズによる顆粒球吸着療法(GCAP)、フィルターによる白血球除去療法(LCAP)の2種類があり、UCの治療に用いられています。また、GCAPはCDに対しても効果が認められています。
GCAPは血液の一部を体外へ循環させ、白血球の中の特に顆粒球・単球を選択的に除去する医療機器(商品名:アダカラム)に通し、再び血液を体内に戻します。循環時間は約60分です。一度の活動期につきUCの治療としては10回または11回まで、CDの治療では10回まで実施が可能です。
このGCAPは、UCでは特に下痢や血便の激しい活動期の治療として、ステロイド等の薬物療法で効果が得られにくい場合や、副作用等の理由で適用できない患者さんに対して、CDでは通常の薬物療法では効果不十分で大腸病変に起因する症状が残る患者さんに対して使用されます。
副作用は、UCの臨床試験時には8.5%(5/59例)に、CDの臨床試験時には28.6%(6/21例)の患者さんにみられました。
2018年度の当院での実績は205件でした。

当院では、非薬物治療としてGCAPを積極的に取り入れており、薬剤を使いたくない患者さんや薬剤を使いにくい患者さんに使用しています。また、速やかに治療導入ができるよう、電子カルテで治療スケジュールを管理し、専属の臨床工学技士と連携のもと、合併症や副作用に細心の注意を払いながら安全に治療を行っております。

副腎皮質ホルモン剤(ステロイド:経口・静注・局所)

UCにもCDにも有効な薬剤です。また、坐剤や注腸剤など局所的なステロイド治療も非常に有効です。但し、長期間ステロイドを内服すると副作用を引き起こしやすいので、慎重に使用する事が必要です。当院では、副作用が発生しやすくなると言われる総投与量10,000mgを念頭に置き、GCAP療法や免疫調整薬を組み合わせるなどの工夫をして治療に取り組んでおります。

免疫調整剤(イムラン・ロイケリン)

免疫調整剤はゆっくり効果が発現し、特にステロイドを減らしたり寛解維持治療に有用です。日本人の標準投与量はイムランで50mg/日、ロイケリンで30mg/日ですが、患者さんに適した投与量は個人差が大きく副作用に注意しながら、患者さんの状態を見ながら投与量を調節する必要があります。これら免疫調整剤の副作用は服用中に突然出現することがあるので、血液検査を含めた定期的な検査を行います。

生物学的製剤

IBD治療に使用可能な生物学的製剤は、インフリキシマブ・アダリムマブ・ゴリムマブ・ウステキヌマブ・ベドリズマブです。有効な治療ですが、投与時反応と感染症に注意が必要で、特に潜在性結核とB型肝炎のスクリーニングを必ず行います。既存治療で効果不十分の中等症~重症の難治性UC、既存治療抵抗性の中等症~重症のCDで使用を考慮します。治療効果減弱時*は、手術適応となる病変がないか調べた後、増量あるいは別の生物学的製剤への変更を考慮します(*イムラン併用によりリンパ腫の発生頻度が高まる可能性があります)。また、生物学的製剤はだんだん効果が弱くなる場合がありますが、イムランの併用で、インフリキシマブの効果減弱を抑制する可能性があるとの報告もあります。
当院でも、中等症以上の患者さんに一番多く使われる薬剤です。

外科治療

内科治療では寛解導入することが困難な場合、炎症が起きている腸を摘出したり狭窄している腸を拡張するといった手術が行われます。UCの場合は手術により大腸は失われますが、薬物や更なる入院は不要となる場合がほとんどです。大腸を失うことによる機能障害もほとんどありません。

その他

食事について

寛解期ではあまり神経質になる必要はありません。バランスの良い食事を摂ること、できれば
・主食をしっかり食べてエネルギーを確保すること
・良質のたんぱく源を摂ること
・ビタミンやミネラルを豊富に含む野菜類を加熱して充分に摂ること
が望ましいと考えられています。また、アルコールや乳製品、脂っこいものや刺激のあるもの、柑橘系ジュースや炭酸飲料などは腸を刺激しやすいので、なるべく避けて下さい。それと、暴飲暴食は絶対にいけません。なお、下痢の激しい活動期の患者さんはご相談下さい。
当院では専門の栄養士が栄養指導を行っております。

日常生活で気をつけること

食事と同様、あまり神経質に考える必要はありませんが、睡眠不足や過労には注意し、規則正しい生活を心掛けて下さい。また、ストレスが再燃のきっかけとなることがあります。心配事が起きた場合は、一人で抱え込まず、ご家族や友人に相談することで、かなりストレスは軽減されます。また、寛解期でもステロイドをかなり服用している場合は、激しいスポーツは控えてください。解熱鎮痛剤や抗生物質を服用する場合は、主治医の先生に確認してから服用されることをお奨めします。また、これらを服用後に下痢がひどくなった場合は、服用を中止しますのでご相談下さい。

結婚と妊娠・出産について

UCは、遺伝病ではありません。様々な要因が重なり合っておこる病気と考えられています。また、基本的には、妊娠・出産に問題はありません。妊娠前や妊娠中は薬剤の種類や量を変える場合がありますので、念のため、妊娠を希望される方は、事前に相談してください。